尿道狭窄
概要・推奨
概要
- 尿道狭窄症は、尿道粘膜やその周囲にある尿道海綿体の線維化によって尿道の内腔が狭くなる病態です。
- 原因は特発性、医原性(尿道カテーテル留置、経尿道的手術など)、外傷性、感染性、炎症性疾患である硬化性苔癬(LS)など多岐にわたります。先進国では医原性が多くを占めます。
- 狭窄部位は、尿道海綿体に覆われた前部尿道に多く、特に球部尿道が約半数を占めます。
- 罹患率は男性の方が圧倒的に高く、年齢別では若年者で外傷性や尿道下裂関連、高齢者では医原性が多くなります。
- 主な症状は排尿困難や尿勢低下などの下部尿路症状ですが、尿路感染症、カテーテル留置困難、会陰部の疼痛などで発見されることもあります。
- 診断は、尿流測定(UFM)や残尿量測定(PVR)といった非侵襲的な検査に加え、膀胱尿道鏡や尿道造影を用いて確定診断を行います。特に逆行性尿道造影(RUG)は診断のゴールドスタンダードとされています。
- 治療法には、内視鏡を用いて狭窄部を切開する内尿道切開術(DVIU)や尿道拡張といった経尿道的治療と、開放手術である尿道形成術があります。
- 経尿道的治療は低侵襲で簡便ですが再狭窄率が高く、一方、尿道形成術はより複雑な手技を要しますが成功率が高いとされています。
- 尿道形成術は、狭窄部を切除して正常な尿道をつなぎ直す尿道吻合術と、口腔粘膜などの代用組織を用いて尿道を再建する方法に大別されます。
推奨
- 経尿道的治療は、初めて治療を受ける球部尿道狭窄症で、原因が外傷や硬化性苔癬(LS)、尿道下裂手術に関連せず、狭窄長が2cm未満で内腔が開存している単発の症例においては、第一選択として推奨されます。それ以外の症例では、初めから尿道形成術を行うことが推奨されます。
- 経尿道的治療の後に再狭窄した場合は、治療を繰り返すのではなく、尿道形成術を第一選択とすることが推奨されます。
- 内尿道切開術(DVIU)に用いるデバイスについて、cold knife、hot knife、レーザーのいずれを選択しても、成功率や合併症の頻度は同等であるため、術者の経験や施設の設備に応じて選択してよいです。