赤血球破砕症候群
概要・推奨
概要
- 赤血球破砕症候群は現在「微小血管症性溶血性貧血(MAHA)」と呼ばれており、は、血栓性微小血管症(TMA)で認められる主要な所見の一つです。
- TMAは、微小血管症性溶血性貧血(MAHA:破砕赤血球の出現を伴う)、血小板減少、および微小循環障害による臓器障害を3つの主徴とする疾患概念です。
- 破砕赤血球は、主に全身の微小血管内に血栓が形成され、そこを通過する赤血球が機械的に破壊されることによって生じます。
- この所見を認める代表的な疾患には、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や溶血性尿毒症症候群(HUS)があります。
- TTPは、von Willebrand因子(VWF)を切断する酵素であるADAMTS13の活性が著しく低下することによって発症します。
- HUSは、志賀毒素を産生する病原性大腸菌(STEC)感染によるSTEC-HUSと、主に補体系の異常な活性化が原因となる非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)に大別されます。
- その他、播種性血管内凝固症候群(DIC)、HELLP症候群、悪性高血圧、薬剤性、膠原病、造血幹細胞移植/臓器移植後など、様々な疾患や病態が原因となり得ます。
- 診断には、末梢血塗末標本で1%以上の破砕赤血球を確認することが重要ですが、定量化が困難な場合や、TTPなどでも認めないことがあるため注意が必要です。
推奨
- 赤血球破砕症候群を認めた場合、原因疾患の鑑別と、それに応じた迅速な治療開始が推奨されます。
- TTPが疑われる場合は、ADAMTS13活性測定が推奨されますが、結果を待たずに治療を開始する必要があります。
- 後天性TTPの急性期治療として、新鮮凍結血漿(FFP)を置換液とした血漿交換を早期に開始し、caplacizumab投与を開始することが強く推奨されます。また副腎皮質ステロイド療法の併用が推奨されています。