上咽頭腫瘍

概要・推奨

概要

  • 上咽頭癌は、低分化・未分化の組織像を示す腫瘍が大部分で放射線感受性が高いこと、解剖学的に手術が困難であることから、I期からIVA期では放射線治療が基本となり、適宜化学療法が追加されます。
  • 組織型は大きく角化型と非角化型に分かれます。非角化型は転移の頻度が高く治療反応は良好ですが、角化型は局所浸潤傾向が強く治療反応がやや不良とされます。
  • 上咽頭癌の発症率が高い中国南部や東南アジアなどのendemic地域(流行地域)では非角化型が多く、EBウイルスとの関連が示唆されています。一方、日本を含むnon-endemic地域(非流行地域)でも、組織型はEBV二関連したWHO II/III(非角化型)が優位です。ただし流行地域と比較すると角化型扁平上皮癌が比較的多く、喫煙などの環境要因との関連が示唆されています。
  • 再発形式として遠隔再発が多いため、全身状態が良好で予備機能が許容範囲内であれば、化学療法の併用が積極的に考慮されます。
  • 診療では、鼻咽腔内視鏡検査で進展範囲を確認します。画像検査としてCT、MRIが必須であり、特に原発巣の進展範囲診断にはMRIが有用です。頸部リンパ節や遠隔転移の診断にはPET/PET-CTも考慮されます。
  • 最終的な診断には病理組織学的検査が必須で、EBウイルスの検出にはEBER-ISH法が有用です。

推奨

  • 上咽頭癌の放射線治療において、強度変調放射線治療(IMRT)を行うことが推奨されます。IMRTは全生存率・局所制御率が高く、唾液腺障害などの毒性軽減に有用です。
  • III期およびIVA期の上咽頭癌に対して、放射線治療に化学療法を同時に併用すること(同時併用化学放射線療法)が推奨されます。
  • III期およびIVA期の上咽頭癌に対して、同時併用化学放射線療法に導入化学療法または補助化学療法を追加することが弱く推奨されます。