原発性胆汁性胆管炎

概要・推奨

概要

  • 原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、自己免疫学的な機序が想定される、慢性で進行性の胆汁うっ滞性肝疾患です。
  • 中高年の女性に好発し、多くは皮膚の掻痒感で発症します。
  • 臨床的には、肝障害に基づく自覚症状や他覚症状の有無によって、無症候性PBC(aPBC)と症候性PBC(sPBC)に分類されます。
  • 無症候性PBCは、症状がないまま長期間経過することがあります。
  • 血液検査では、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)の上昇、約90%の症例で抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性、IgM高値を特徴とします。
  • 肝臓の組織では、肝内の小型胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)という特徴的な病変が見られます。
  • 疾患が進行すると、胆管が消失して線維化が進み、最終的には胆汁性肝硬変や肝不全に至ることがあります。また、肝細胞癌を合併することもあります。
  • シェーグレン症候群、関節リウマチ、慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患や、骨粗鬆症、脂質異常症などを高率に合併します。
  • 2016年に、国際的に病名が「原発性胆汁性肝硬変」から「原発性胆汁性胆管炎」へと変更されました。

推奨

  • 診断は、①慢性の胆汁うっ滞を示す血液所見、②抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性、③特徴的な肝組織像、のうち2項目以上を満たすことで行われます。
  • 診断にあたり、超音波検査やCTなどの画像診断で、他の原因による閉塞性黄疸を除外することが重要です。
  • 治療の第一選択薬はウルソデオキシコール酸(UDCA)です。UDCAは肝機能の改善に加え、病気の進行を遅らせ、予後を改善する効果が確認されています。