結膜の充血

概要・推奨

概要

  • 結膜の充血は、眼科診療において頻繁に遭遇する所見です。
  • 原因は多岐にわたり、感染症、アレルギー、物理的刺激、全身疾患などさまざまです。
  • 充血の原因として頻度の高い疾患には、ウイルス性、細菌性、アレルギー性などの結膜炎があります。特にアデノウイルスによる流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は感染力が非常に強く、院内感染や集団発生の原因となるため、厳重な注意が必要です。
  • 眼瞼炎や麦粒腫といった眼瞼の炎症も、結膜の充血を引き起こす原因となります。
  • ドライアイにおいても、涙液層の不安定化に伴い、結膜の充血がみられることがあります。
  • 結膜下出血は、外傷や急激な血圧変動などでも生じますが、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスによる結膜炎(急性出血性結膜炎)では特徴的な所見として認められることがあります。
  • 小児においては、目にゴミなどが入る眼内異物混入も充血の一般的な原因の一つです。
  • 充血の原因を特定するため、問診、視診に加え、必要に応じて迅速診断キットや塗抹鏡検などの検査を行います。

推奨

  • 結膜充血を認める患者を診察する際は、感染性の結膜炎、特に感染力の強いアデノウイルス結膜炎の可能性を常に念頭に置くことが推奨されます。
  • アデノウイルス結膜炎が疑われる場合は、イムノクロマトグラフィー法による迅速診断キットの使用が推奨されます。ただし、検査が陰性であっても、臨床所見から感染が強く疑われる場合は感染対策を徹底することが重要です。
  • 接触感染が主な感染経路であるため、一患者ごとの手指衛生(流水と石鹸による手洗い、消毒用アルコール製剤の使用)を徹底することが強く推奨されます。