食道裂孔ヘルニア
概要・推奨
概要
- 食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が横隔膜にある食道裂孔を通って胸腔内に脱出する状態です。
- ヘルニアの存在は、食道胃接合部の圧力を低下させ、酸逆流の増加および食道内の酸排出遅延をきたし、食道の過剰な胃酸曝露の原因になります。
- ヘルニアの程度が大きいほど、総逆流回数や総逆流時間が多くなることが報告されています。
- 特に、2cm以上の非還納性のヘルニアは、異常な酸逆流との関連が示されています。
- ヘルニア囊内に酸が存在する場合、一過性下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)が起こった際の酸の逆流率が有意に増加します。
- これらの機序により、食道裂孔ヘルニアは胃食道逆流症(GERD)の重要な要因の一つと考えられています。
推奨
- 食道裂孔ヘルニアの診断は、通常、上部消化管内視鏡検査によって行われます。
- 治療は、多くの場合不要ですが、胃食道逆流症(GERD)を伴う場合はGERDの治療方針に準じて、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの酸分泌抑制薬による薬物治療が中心となります。