頸管無力症

概要・推奨

概要

  • 頸管無力症は、妊娠中に明らかな子宮収縮がないにもかかわらず子宮頸管が開大し、流産や早産に至る病態です。
  • この病態に対しては、子宮頸管を糸で縫合して物理的に補強する頸管縫縮術が行われます。
  • 頸管縫縮術は、その適応や施行時期によって、予防的縫縮術と治療的縫縮術に大別されます。
  • 予防的縫縮術には、過去の妊娠歴における頸管無力症の既往に基づいて予防的に行う「既往歴に基づく縫縮術」と、早産の既往があり妊娠中に超音波検査で頸管長の短縮が確認された場合に行う「超音波所見に基づく縫縮術」があります。
  • 治療的縫縮術は、妊娠中に明らかな子宮収縮を伴わずに子宮口の開大や胎胞の脱出が認められた場合に、緊急的に行われる手術です。
  • 頸管無力症は、明らかな子宮収縮や性器出血などの症状がないにもかかわらず、子宮頸管が短縮・開大し、流産や早産に至る病態ですが、明確な診断基準はありません。
  • 流産や早産の既往歴、子宮頸部円錐切除術歴、広汎子宮頸部摘出術後などが、頸管無力症を疑うリスク因子となります。
  • 現妊娠においては、多胎妊娠、細菌性腟症、経腟超音波検査で確認される子宮頸管長の短縮などがリスク因子となります。
  • 妊娠18週から24週頃に経腟超音波検査で子宮頸管長を測定することは、流産や早産のハイリスク症例を抽出するために有効です。

推奨

  • 妊娠24週未満で、明らかな子宮収縮がないにもかかわらず子宮口の開大や胎胞の脱出を認める場合、治療的縫縮術が推奨されます。
  • 感染、出血、陣痛、または破水を認める場合には、治療的縫縮術は推奨されません。
  • 術後の抗菌薬や子宮収縮抑制薬の予防的投与、および床上安静の有効性は確立されていないため、推奨されていません。