注意欠如多動症(attention deficit/hyperactivity disorder、ADHD)
概要・推奨
概要
- 18歳未満のADHDケースの診療にあたる医療分野の専門家、ならびに教育機関や児童福祉機関など医療以外の分野の専門家を対象に、適切な診断・評価を行い、推奨される治療・支援法を選択し実施できるような臨床指針を示すことを目的としています。
- ADHDは、不注意、多動性、衝動性の3つの主症状によって定義される、生来的・体質的な脳機能障害を背景とした精神疾患です。
- わが国では発達障害者支援法の対象疾患の一つであり、DSM-5やICD-11においても神経発達症群の1疾患と位置づけられています。
- 他の神経発達症をしばしば併存するため、常に自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとする神経発達症群に属する他疾患の有無に注目する必要があります。
推奨
- ADHDの診断・評価は、DSM-5に準拠した診断フロー図を遵守し、その手段として半構造化面接を実施することが推奨されます。成育歴、家族歴、現病歴、各種検査結果を統合した「臨床的全体像」の把握が重要です。
- 幼児期のADHD診断は限界が多いため、年代特有の配慮と『行動特徴のチェックリスト』などを用いた総合的・慎重な評価が推奨されます。他の神経発達症や逆境的環境の影響との鑑別に注意が必要です。
- 重症度の判定には、DSM-5の重症度判定基準とともに、補助的な尺度として「機能の全体的評定(GAF)尺度」を用いることが推奨されます。また、各種評価尺度を用いて個々のケースの特性プロファイルを得るべきです。