菊池病
概要・推奨
概要
- 菊池病は、組織球性壊死性リンパ節炎とも呼ばれ、1972年に日本で報告された原因不明の良性のリンパ節炎です。
- 主に20〜30歳代の若年成人に好発し、女性の患者数は男性の約2倍です。
- 疫学的には東洋人に多く、白人は比較的まれで、黒人には極めてまれです。
- 多くは感冒様の症状で始まり、約40%の症例で38℃以上の発熱を伴います。
- 80%以上の症例が頸部リンパ節の腫大で発症し、約20%の症例で薬疹様の皮疹を認めます。
- 血液検査所見として、白血球減少(4,000/μl以下、特に顆粒球の減少)、血沈の亢進、LDHの上昇などがみられます。
- 病理組織学的には、リンパ節に好中球や好酸球の浸潤を伴わない壊死巣と、組織球や形質細胞様単球の増殖、核崩壊産物を貪食する組織球の出現が特徴です。
- 予後は良好で、多くは1〜2ヶ月以内に自然に治癒しますが、約5%の症例で再発がみられます。
推奨
- 診断においては、若年女性にみられる発熱と頸部リンパ節腫大、白血球減少(顆粒球減少や少数の異型リンパ球を伴う)などの特徴から本疾患を疑うことが推奨されます。
- 確定診断には、リンパ節生検による病理組織学的検査が必須です。
- 悪性リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、結核性リンパ節炎、その他の感染性リンパ節炎との鑑別が重要であるため、免疫組織学的染色が有用です。