腸軸捻転・腸重積
概要・推奨
概要
- 腸重積症は、口側腸管が肛門側腸管に嵌入し、循環障害を伴う絞扼性イレウスの代表的疾患です。多くは特発性ですが、一部はポリープやMeckel憩室などが先進部となります。
- 発生頻度は欧米の1歳未満児で出生10万人あたり約50人、日本では年間約4,000人と推察されます。好発年齢は1歳未満(約58%)で、生後3か月未満や6歳以上では稀です。男女比は約2対1と男児に多くみられます。
- 再発率は全体で約10%ですが、観血的整復後は約4%と低下します。
- 腸回転異常症は、胎生期の回転・固定異常に起因する疾患群の総称であり、上腸間膜動脈を軸とした中腸軸捻転の合併が問題となります。
- 有症候例は出生5,000〜220,000人に1例で、その65〜80%に中腸軸捻転を認めます。
- 中腸軸捻転は新生児期の胆汁性嘔吐や血便で発症し、診断の遅れは広範囲腸管壊死による予後不良(死亡率:全体約20%、壊死例65%)につながります。
推奨
- 腹痛、不機嫌、嘔吐を呈する乳幼児では、腸重積症や腸軸捻転を鑑別に挙げることが強く推奨されます。
- 腸重積症の診断において、触診および感度・特異度の高い超音波検査がスクリーニングとして強く推奨されます。診断不確実例には注腸造影、イレウスや穿孔の評価には腹部単純X線検査(推奨度B)を用います。
- 腸重積症の治療において、重症・中等症では、まず輸液による循環動態の安定化を図ります。