蜂窩織炎

概要・推奨

概要

  • 蜂窩織炎は、主に化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)や黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によって引き起こされる、皮膚から皮下組織にかけての細菌感染症です。
  • 丹毒は主に化膿レンサ球菌による感染症で、蜂窩織炎よりも表層の皮膚組織が主たる病変部位です。
  • 丹毒は乳幼児や高齢者に多く、下肢(70-80%)に最も多く発症し、顔面(5-20%)にもみられます。静脈やリンパの循環障害による浮腫がある部位に好発し、再発も多いとされます。
  • 蜂窩織炎は、直接的な外傷のほか、血流感染や近傍の骨髄炎などから二次的に生じることもあります。
  • 免疫不全状態では、肺炎球菌、B群レンサ球菌、緑色レンサ球菌、Enterococcus faecalisなどのグラム陽性球菌、腸内細菌科、Haemophilus influenzae、P. aeruginosaなどのグラム陰性桿菌、さらにはCryptococcus neoformansなどの真菌が原因となりえます。
  • 免疫不全状態では、全身性疾患の皮膚症状として現れる可能性があり、発赤や疼痛などの典型的な臨床像が弱い、または非典型的になることがあります。
  • 鑑別診断には、壊死性筋膜炎などのより深部の感染症や、深部静脈血栓症、うっ滞性皮膚炎などの非感染性疾患が含まれ、その範囲は広範です。

推奨

  • 原因微生物を特定するため、皮膚病変の塗抹検査や培養検査、血液培養(2セット)を行うことが推奨されます。
  • 免疫不全のある患者では、原因微生物を同定するための努力が特に重要であり、必要に応じて皮膚生検の実施も考慮されます。
  • 治療では、起因菌として頻度の高い黄色ブドウ球菌やA群β溶連菌を標的とした抗菌薬を選択することが基本となります。