直腸肛門部腫瘤

概要・推奨

概要

  • 直腸肛門部腫瘤には、主に直腸に発生する腺癌と、肛門管および肛門辺縁に発生する扁平上皮癌に大別されます。
  • 疫学統計では、米国の年間新規症例数は2016年で直腸癌は約39,220人、2017年で肛門癌は約8,200人と推定されています。日本では、2016年の大腸癌(結腸癌と直腸癌を含む)の罹患数は約158,000人と報告されています。
  • 大腸癌全体の発生率は減少傾向にありますが、50歳未満の若年層では増加傾向にあると報告されています。一方、肛門癌の発生率は上昇を続けています。
  • 肛門扁平上皮癌の主な危険因子として、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、HIV感染による免疫抑制、喫煙などが挙げられます。
  • 直腸癌の危険因子には、炎症性腸疾患、家族歴、リンチ症候群や家族性大腸腺腫症(FAP)などの遺伝的素因が含まれます。

推奨

  • 直腸肛門部の腫瘤が疑われる場合、生検による組織学的確定診断が推奨されます。
  • 進行度評価のため、直腸指診、肛門鏡または大腸内視鏡検査、骨盤MRI、胸部・腹部・骨盤CT、CEA測定などが推奨されます。
  • 肛門癌では、必要に応じてHIV検査や婦人科診察を考慮することが勧められます。