放射線肺障害

概要・推奨

概要

  • 放射線による肺障害は、放射線治療に伴う肺の炎症反応であり、急性期の放射線肺炎とその後に続く放射線肺線維症に分けられます。
  • 発症時期は、一般的に放射線治療終了後1〜3ヶ月がピークとされています。
  • 症状は咳嗽、発熱、呼吸困難などが挙げられますが、無症状のこともあります。
  • 画像上の陰影は、通常は照射野内に限局して生じますが、時に照射野外に広がることもあります。
  • 重症度は多くの場合軽微ですが、時に重篤化し致死的となることもあります。
  • リスク因子として、照射体積、総線量、1回線量、併用薬剤、喫煙歴、照射前の肺機能、年齢、そして既存の間質性肺炎の有無などが挙げられます。
  • 既存の間質性肺炎、特に通常型間質性肺炎(UIP)パターンを有する症例では、照射範囲外にも炎症が及ぶ急性増悪を起こしやすく、重症化するリスクが高いとされています。

推奨

  • 放射線治療計画時には、CT画像を用いて正常肺の線量・体積ヒストグラム(DVH)を評価し、放射線肺炎のリスクを検討することが推奨されます。
  • 正常肺のうち20Gy以上が照射される体積の割合(V20Gy)は35%以下とすることが推奨されます。化学療法を併用する場合には30%以下に抑えることが望ましいです。
  • 正常肺の平均線量(MLD)や、5Gy以上が照射される体積の割合(V5Gy)も、放射線肺炎のリスク評価の指標として考慮することが推奨されます。