原発性骨髄線維症
概要・推奨
概要
- 原発性骨髄線維症(PMF)は、JAK-STATシグナル伝達系を恒常的に活性化させるJAK2、CALR、MPLなどの遺伝子変異を原因として生じる骨髄増殖性腫瘍です。
- 発熱、体重減少、倦怠感、掻痒、骨痛などの全身症状がみられることが特徴です。主な死因は、感染症、急性白血病への移行、出血、原疾患の増悪などです。
- 50%生存期間は3.8年と報告されており、予後は不良です。
- 予後分類には、年齢、臨床症状、ヘモグロビン(Hb)値、白血球数、末梢血中の芽球割合などに基づく国際的予後分類(IPSS、DIPSS、DIPSS plus)が用いられ、低リスク、中間-Ⅰリスク、中間-Ⅱリスク、高リスクの4群に層別化されます。
- 治療はリスク分類に基づいて行われ、低リスクおよび中間-Ⅰリスクの無症状例では経過観察が行われます。症状がある場合や、中間-Ⅱおよび高リスクの症例には、同種造血幹細胞移植や分子標的薬(ルキソリチニブ)が検討されます。
- 貧血に対しては、赤血球輸血や蛋白同化ホルモンが用いられます。
- 真性多血症(PV)や本態性血小板血症(ET)から移行する二次性骨髄線維症(post PV/ET-MF)も存在し、予後予測にはMYSEC-PMというモデルが用いられます。
推奨
- 治療方針を決定するため、IPSS、DIPSS、DIPSS plusなどのリスク分類を用いて予後を評価することが推奨されます。
- 低リスクおよび中間-Ⅰリスクの症例で、症状がない場合は無治療での経過観察が推奨されます。脾腫や全身症状がある場合は、症状緩和を目的とした治療が推奨されます。
- 中間-Ⅱリスクおよび高リスクの症例で、合併症がなく適切なドナーが得られる場合は、唯一の根治的治療法である同種造血幹細胞移植が推奨されます。