薬剤性肺障害

概要・推奨

概要

  • 薬剤性肺障害とはあらゆる薬剤の投与中に起きた呼吸器系の有害事象の総称です。医療用医薬品のみならず市販薬や漢方薬・健康食品やサプリメントが原因となる事象も含まれます。
  • 臨床病型は、様々であり間質性肺炎や肺水腫に類似した所見を呈する場合や肺胞出血・気道病変・血管病変・胸膜病変を呈する場合等があります。
  • 画像パターンは器質化肺炎(organizing pneumonia; OP)パターン・過敏性肺炎(hypersensitivity pneumonia; HP)パターン・非特異性間質性肺炎(non-specific interstitial pneumonia; NSIP)パターン・急性好酸球性肺炎(acute eosinophilic pneumonia; AEP)パターン・びまん性肺胞障害(diffuse alveolar damage; DAD)パターンに分類されます。
  • DADパターンは予後不良であり迅速かつ集学的な対応が必要です。
  • 薬剤投与から肺障害発現までの期間は多様であり数分以内から時には数年後に発現する場合もあります。
  • 薬剤性肺障害の発現リスク因子として、60歳以上の高齢、既存の肺病変(特に間質性肺疾患)、肺手術後、低肺機能、肺野への放射線照射歴、腎障害、先行する免疫チェックポイント阻害薬の投与歴などが挙げられます。
  • 日本人は他の人種と比較して、薬剤性肺障害の発現頻度および死亡率が高い傾向にあると報告されています。

推奨

  • 薬剤性肺障害の診断は除外診断です。COVID-19を含む感染性肺炎・ニューモシスチスカリニ肺炎・放射線肺臓炎・癌性リンパ管症・肺水腫などを除外する必要があります。
  • 薬剤性肺障害のリスク評価のため、薬剤投与前には胸部画像検査や呼吸状態の評価、間質性肺炎マーカー(LDHやKL-6など)のベースライン測定を行うことが有用です。
  • 薬剤性肺障害が疑われる場合は、速やかに被疑薬を中止することが治療の基本となります。