褐色細胞腫
概要・推奨
概要
- 褐色細胞腫・パラガングリオーマ(PPGL)は、副腎髄質または傍神経節のクロム親和性細胞から発生する神経内分泌腫瘍です。
- すべてのPPGLは潜在的に転移するリスクがあるため、「良性」「悪性」という表現は用いず、明らかな転移がある場合に「転移性」と呼びます。
- カテコールアミンの過剰産生により、発作性の動悸、頭痛、発汗、高血圧などの症状を呈します。未治療の場合、高血圧クリーゼや心血管系の合併症など、生命を脅かす状態に至る可能性があります。
- 近年では症状がなく、他の目的で行われた画像検査で偶然発見される副腎偶発腫瘍としての症例が増加しています。
- 全症例の約20~40%に遺伝的背景が認められます。
- 外科的切除による治癒の可能性があること、カテコールアミン過剰や潜在的な転移、遺伝性といった複数のリスクを管理する必要があることから、早期の診断と治療が重要です。
推奨
- 高血圧(特に発作性や治療抵抗性)、動悸・発汗・頭痛といった発作症状、副腎偶発腫瘍、PPGLの家族歴などがある場合は、積極的にスクリーニング検査を実施することが推奨されます。
- 診断は、血中や尿中のカテコールアミンおよびその代謝産物の測定による機能診断と、CTやMRI、核医学検査などの画像診断を組み合わせて行うことが推奨されます。
- 治療の第一選択は、手術による腫瘍の切除です。小径の腫瘍に対しては、腹腔鏡下手術が標準的な術式として推奨されます。