肥大型心筋症

概要・推奨

概要

  • 肥大型心筋症は、左室ないしは右室心筋の肥大と、心肥大に基づく左室拡張能低下を特徴とする疾患群です。
  • 診断の確定には、高血圧・大動脈弁狭窄症などの圧負荷をきたす疾患や、ファブリー病、心アミロイドーシスといった二次性心筋症を除外する必要があります。
  • 臨床的には、心エコー検査や心臓MRIで15mm以上の最大左室壁厚(肥大型心筋症の家族歴がある場合は13mm以上)で定義されます。
  • 主な病型には、左室流出路に圧較差を認める「閉塞性」、圧較差を認めない「非閉塞性」、心室中部で圧較差を認める「心室中部閉塞性」、心尖部に肥大が限局する「心尖部肥大型」、経過中に心機能が低下する「拡張相」があります。
  • 原因の約40~60%は、心筋の収縮に関わるサルコメア関連遺伝子の変異によるものとされています。
  • 有病率は約500人に1人と推定され、主な死因は突然死、心不全、脳卒中です。
  • 生涯にわたって病態が変化する可能性があるため、病状が安定している場合でも1~2年に1回程度の定期的なフォローアップが重要です。

推奨

  • 診断や病態評価のために、心エコー検査、心臓MRI、運動負荷試験を行うことが推奨されます。
  • 二次性心筋症が疑われ、他の検査で診断できない場合には、心筋生検が推奨されます。
  • 肥大型心筋症と診断された患者さんには、遺伝カウンセリングを受けることが推奨されます。