下咽頭悪性腫瘍

概要・推奨

概要

  • 下咽頭は梨状陥凹、輪状後部、咽頭後壁の3つの部位に分けられ、下咽頭癌は梨状陥凹に発生するものが最も多いです。
  • 組織型はほとんどが扁平上皮癌です。
  • 罹患因子として喫煙・飲酒が大部分を占め、特に飲酒の影響が強いことが示唆されています。また、輪状後部癌では鉄欠乏性貧血Plummer-Vinson症候群との関連も報告されています。
  • 食道癌や他の頭頸部癌との重複が多いため、治療前に重複癌の評価が必要です。
  • 診療では、触診、視診、内視鏡、画像診断(CT、MRI、超音波、場合によりPET-CT)などにより進展範囲を評価します。
  • 粘膜面の進展範囲の評価には、白色光内視鏡のみでなく、狭帯域光観察(NBI)や自家蛍光観察(AFI)などの特殊光による観察が有用です。
  • 最終的な診断のために生検を行い、病理学的診断を確定させます。

推奨

  • 早期下咽頭癌においては、喉頭を温存することを目指し、根治照射あるいは喉頭温存手術(経口的切除、外切開による切除)のいずれかを個々の症例に応じて選択することが推奨されます。
  • 下咽頭癌に対して経口的切除は有用ですが、適切な症例の選択が必要であり、推奨されます。
  • 下咽頭・喉頭全摘術を行う下咽頭梨状陥凹癌において、健側気管傍領域に明らかな転移を認めず、かつ術前に気管切開を受けていない患者では、健側気管傍郭清の省略を考慮することが推奨されます。