黄体機能不全

概要・推奨

概要

  • 黄体機能不全(luteal phase deficiency: LPD)とは、黄体から産生されるプロゲステロンの分泌が不十分であるために、子宮内膜の分化が障害される状態です。
  • 妊娠の成立や維持に影響を及ぼし、不妊症や不育症の原因となる可能性があります。
  • 明確な診断基準は確立されていませんが、一般的には黄体期(基礎体温における高温期)が10日以内であることや、黄体期中期の血中プロゲステロン値が10ng/mL未満であることが診断の目安として用いられます。
  • かつて行われていた子宮内膜日付診は、現在ではその有用性が乏しいとされています。
  • 黄体機能不全という病態自体の存在についても議論があり、診断や治療方針については一定の見解が得られていません。
  • 甲状腺機能異常や高プロラクチン血症などの排卵障害を引き起こす疾患が、黄体機能不全の背景に存在することがあります。

推奨

  • 不妊症や不育症のスクリーニング検査として、黄体機能不全の検査を画一的に行うことは推奨されていません。
  • 基礎体温の高温期が10日以下の場合は、黄体機能不全の可能性を考慮し、その原因となりうる疾患(甲状腺機能異常、高プロラクチン血症など)の精査を行うことが推奨されます。
  • 黄体機能不全が疑われる場合、不十分な黄体ホルモンを補充することが治療の選択肢となりますが、その有効性については十分なエビデンスが確立されていません。