意識障害

概要・推奨

概要

  • 意識障害は、脳の広範な機能が障害された状態であり、意識の清明度が低下する意識混濁と、内容が変化する意識変容に大別されます。しかし、両者は明確に区別されるものではなく、多くの場合、混濁とともに変容を伴います。
  • 意識は、外界からの刺激に対して適切に反応できる能力であり、「覚醒」と「内容・認識作用」の2つの側面から構成されます。意識障害は、これらの機能が障害されることで生じます。
  • 「覚醒」は脳幹にある上行性網様体賦活系と視床下部調節系が、「内容・認識作用」は主に大脳皮質が担っています。
  • 意識障害の原因は頭蓋内病変(脳血管障害、頭部外傷、感染症、腫瘍など)と、頭蓋外の全身性疾患(代謝異常、中毒、低酸素、ショックなど)に大別されます。
  • 意識障害の原因は多岐にわたるため、鑑別のための想起法として「AIUEOTIPS」などが知られています。
  • 原因は、脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎・髄膜炎などの脳に直接的な原因がある器質的疾患と、代謝異常(低血糖、肝性脳症など)、中毒(薬物、アルコールなど)、全身性の感染症、低酸素、低体温など脳以外の全身性疾患に大別されます。
  • 意識障害の評価には、意識レベルの客観的評価が重要であり、Japan Coma Scale(JCS)やGlasgow Coma Scale(GCS)などが用いられます。
  • 病歴聴取は診断において極めて重要です。特に発症様式(突発性、急性、亜急性など)、先行症状や随伴症状の有無、既往歴、薬物使用歴などを本人または目撃者から詳細に聴取することが原因究明の手がかりとなります。
  • 意識変容が前景に立つ状態として「せん妄」があります。せん妄は注意障害、認知機能の全般的な障害、精神運動興奮または抑制、睡眠・覚醒リズムの障害を特徴とします。痙攣発作後に一過性の意識障害(痙攣後状態)を呈することもあります。

推奨

  • 意識障害患者の初期診療では、気道(A)、呼吸(B)、循環(C)の安定化を最優先し、低酸素や低血圧による二次性脳損傷の予防に努めることが推奨されます。
  • 意識レベルの評価には、JCS(Japan Coma Scale)やGCS(Glasgow Coma Scale)などの客観的スケールを用い、経時的に評価することが推奨されます。
  • 神経学的診察として、意識レベルの評価に加えて、瞳孔所見、麻痺の有無などの神経巣症状、呼吸パターン、バイタルサイン(Cushing現象)などを評価することが推奨されます。