膜性腎症
概要・推奨
概要
- 膜性腎症は、糸球体基底膜の上皮下に免疫複合体が沈着することによって生じる疾患です。
- 中高年者がネフローゼ症候群を呈する疾患の中で最も頻度が高いです。
- 症状と発症経過
- 主な症状は蛋白尿で、約70%がネフローゼ症候群を呈します。
- 発症は一般に急速ではなく、浮腫なども目立たないことがあります。
- 約40%の患者さんに血尿が認められます。
- 約20~30%の患者さんでは、自然に蛋白尿が消失する自然寛解の経過をとることがあります。
- 原因
- 一次性と二次性があります。
- 一次性膜性腎症の原因抗原として、M型ホスホリパーゼA2受容体(PLA2R)やthrombospondin type 1 domain-containing 7A(THSD7A)が同定されています。
- 日本人の一次性膜性腎症患者では、血中の抗PLA2R抗体陽性率は約50%、抗THSD7A抗体陽性率は約5%と報告されています。
- 二次性の原因としては悪性腫瘍、自己免疫性疾患、薬剤、感染症などが挙げられます。
- 病理所見
- 病理学的には、光学顕微鏡のPAM染色で糸球体基底膜のスパイク形成や虫食い像がみられます。
- 蛍光抗体法では、主にIgG(一次性ではIgG4が主体)が糸球体係蹄に沿って、びまん性に顆粒状に沈着しているのが観察されます。
推奨
- ネフローゼ症候群を呈する膜性腎症の初期治療は、①保存的療法、②ステロイド単独療法、③ステロイドと免疫抑制薬の併用療法のいずれかから開始することが推奨されます。
- 保存的療法