慢性骨髄性白血病
概要・推奨
概要
- 慢性骨髄性白血病(CML)は、多能性造血幹細胞の異常により発症する骨髄増殖性腫瘍の一種です。
- ほとんどの症例で、フィラデルフィア(Ph)染色体[t(9;22)(q34;q11)]が認められ、その結果産生されるBCR::ABL1チロシンキナーゼが病態の中心的な役割を担います。
- 病期は慢性期(CP)、移行期(AP)、急性転化期(BP)の3つに分類され、診断される患者の多くは無症状の慢性期です。
- BCR::ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が治療の中心であり、その登場により予後は著しく改善しました。
- 治療効果は、血液学的奏効(HR)、細胞遺伝学的奏効(CyR)、分子遺伝学的奏効(MR)の3つのレベルで評価され、特に国際標準法(IS)に基づきBCR::ABL1遺伝子量を測定する分子遺伝学的奏効が重要です。
- 治療目標は、急性転化への移行を阻止することに加え、TKIによって深い分子遺伝学的奏効(DMR)を達成し、無治療寛解(TFR)を目指すことへと変わりつつあります。
推奨
- 初発の慢性期CML(CML-CP)には、第一世代TKIであるイマチニブ、または第二世代TKIであるニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブのいずれかが推奨されます。Sokalスコアなどで高リスク群の場合は、第二世代TKIが望ましいとされます。
- TKIによる治療効果のモニタリングとして、国際指標(IS)で補正したBCR::ABL1定量RT-PCR検査を治療前と治療開始後3か月ごとに実施することが推奨されます。
- 治療効果が不十分な場合(Failure)は、TKIの変更が推奨されます。二次治療には未投与の第二世代TKIが、三次治療以降には未投与の第二世代TKI、第三世代TKIのポナチニブ、STAMP阻害薬のアシミニブのいずれかが推奨されます。ABL1点突然変異でT315I変異を認めた場合はポナチニブが推奨されます。