慢性閉塞性肺疾患(COPD)

概要・推奨

概要

  • タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示します。気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変がさまざまな割合で複合的に関与して起こります。
  • 臨床的には徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を示しますが、これらの症状に乏しいこともあります。
  • 日本の推定罹患者は500万人を超えますが、実際に治療されている患者は数十万人であり、疾患認知度が低いのが現状です。病気であることを自覚しにくいため、未診断・未治療であることが多く、喫煙を続けて重症化するケースが多いです。
  • 診断は、長期の喫煙歴などの曝露因子があることに加え、気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーでFEV1/FVCが70%未満であることを確認し、他の気流閉塞を来しうる疾患を除外して行います。
  • 治療は薬物療法と非薬物療法を行います。薬物療法の中心は長時間作用性気管支拡張薬(LAMA、LABA)の吸入です。非薬物療法には禁煙、感染予防、呼吸リハビリテーション、セルフマネジメント教育、栄養管理、酸素療法、換気補助療法などがあります。
  • 肺がんや心血管疾患などの併存症・合併症のリスクが高く、他疾患で通院している患者の中にCOPD患者が潜在している可能性があります。
  • 呼吸器症状が悪化する増悪が起こることがあり、感染対策や有害物質の回避による予防と、アクションプランを用いた早期治療による重症化予防が重要です。
  • 禁煙はCOPDの疾患進行を遅らせるため、最も重要な介入です。

推奨

  • 安定期COPD患者に対して、禁煙を強く推奨します。
  • 安定期COPDに対して、肺炎球菌ワクチンの接種を強く推奨します。
  • 安定期COPDに対して、運動療法を含む呼吸リハビリテーションプログラムを強く推奨します。