腸管ベーチェット病
概要・推奨
概要
- 腸管型ベーチェット病は、腸型ベーチェット、腸管ベーチェット病ともよばれ、厚生労働省研究班のベーチェット病診断基準では特殊型に分類されます。
- 腸管型ベーチェット病の診断は、完全型ないしは不全型の診断基準を満たす患者で、定型的な回盲部潰瘍病変を有する場合になされます。
- 内視鏡所見では、回盲部に存在する類円形の深掘れ潰瘍が腸管定型病変と定義され、この病変はベーチェット病の副症状に含まれます。打ち抜き潰瘍を呈するため、突然の穿孔や大量出血のリスクを伴い、生命予後を左右しうる重要なリスク因子とされます。
- 術後再発率も高く、複数回の手術を必要とする患者も存在します。
- 予後不良因子として、35歳未満の発症、CRP高値、高い疾患活動性が報告されています。
- 日本にはベーチェット症候を伴わない回盲部の円形の深い潰瘍病変である「単純性潰瘍」という疾患概念があり、内視鏡像あるいは病理像で腸管型ベーチェット病との鑑別はしばしば困難です。
推奨
- 腹痛、下血・血便、腹部腫瘤、下痢、体重減少などの特異的ではない症状がみられるとき、腸管型ベーチェット病を考慮することが推奨されます。
- 回盲部の深掘れないし円形の潰瘍が典型的内視鏡所見です。他に食道に円形ないし深掘れ潰瘍を認めることがあり、これらの所見がみられるとき、腸管型ベーチェット病を考慮することが推奨されます。
- 診断にあたっては、クローン病、腸結核、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)による小腸潰瘍、単純性潰瘍などを鑑別することが推奨されます。