腸重積
概要・推奨
概要
- 腸重積症は、口側腸管が肛門側腸管に引き込まれることで生じる絞扼性腸閉塞の代表的な疾患です。
- 多くは原因が特定できない特発性ですが、一部にはMeckel憩室などの病的先進部が原因となることがあります。
- 世界的に1歳未満の発生頻度は、出生10万人に対して74人前後と報告されています。
- 年齢では1歳未満の乳児が約半数を占め、特に生後7〜10ヶ月がピークです。3ヶ月未満や6歳以上は少ないです。
- 性別では男児が女児よりも多く、男女比は約2対1です。
- 発生に明らかな季節性は認められていません。
- 病的先進部による腸重積症は全体の3〜4%で、Meckel憩室、重複腸管、良性ポリープなどが比較的多く、年齢とともにその頻度は高くなる傾向があります。
- 非観血的整復後再発率は8-15%、早期(24-48時間)3-8%、観血的整復後1-4%程度であります。
- ロタウイルスワクチンの接種により、腸重積症の発生リスクがごく軽度上昇する可能性があります。
推奨
- 間欠的な腹痛や不機嫌は腸重積症を考慮すべき症状です。嘔吐やイチゴゼリー状の血便は腸重積症の可能性を高めますが、これらの症状がなくても本症を否定することはできません。活気不良のみを主訴とする場合でも腸重積症を鑑別に入れることが推奨されます。
- 診断には、感度、特異度ともに高い超音波検査がスクリーニングとして有用です。トレーニングを受けた医師によるポイントオブケア超音波検査(POCUS)も有用です。
- 腹部単純X線写真は診断的価値は低いですが、腸管穿孔を示唆する遊離ガス像や小腸閉塞像の確認に有用です。