赤芽球癆

概要・推奨

概要

  • 赤芽球癆(pure red cell aplasia, PRCA)は、正球性または大球性の貧血、網赤血球の著しい減少、および骨髄における赤芽球の著しい減少を特徴とする症候群です。
  • 先天性と後天性に分類され、後天性は臨床経過から急性と慢性に区分されます。後天性慢性赤芽球癆は、原因が不明な特発性と、基礎疾患を有する続発性に分けられます。
  • 日本における後天性慢性赤芽球癆の年間罹病率は、人口100万人あたり約1.06人と推定されており、男女比は1:1.5でやや女性に多くみられます。
  • 後天性赤芽球癆の主な病型は、特発性、胸腺腫合併、大型顆粒リンパ球性白血病(LGL)関連であり、これらで約4分の3を占めます。
  • 病態は、赤血球系の造血前駆細胞の分化・増殖が阻害されることによって発生します。原因として、ヒトパルボウイルスB19などのウイルス感染、薬剤、自己抗体や自己障害性リンパ球の関与などが考えられています。
  • 主な臨床症状は、貧血に伴う全身倦怠感、動悸、めまい感などです。続発性の場合は、基礎疾患に応じた症状がみられます。

推奨

  • 診断は、末梢血検査で正球性ないしは大球性貧血と網赤血球の減少(一般的に1%未満または10,000/μL未満)を認め、骨髄検査で赤芽球の著しい減少を確認することによって行われます。
  • 治療方針の決定には病型と病因の診断が重要であり、急性と慢性の鑑別のため、被疑薬を中止して約1ヶ月間の経過観察を行うことが推奨されます。
  • 経過観察期間中に、画像検査による胸腺腫の検索、リンパ球免疫形質検査による大型顆粒リンパ球性白血病の検索、およびヒトパルボウイルスB19感染などの原因検索を行います。