胃・十二指腸潰瘍

概要・推奨

概要

  • 日本人の消化性潰瘍の有病率は減少傾向にあります。2014年における1日あたりの推定患者数は、胃潰瘍が29,200人、十二指腸潰瘍が4,400人であり、それぞれ1984年の26%、10%まで減少しています。
  • 好発年齢は高齢化しており、胃潰瘍は70歳代、十二指腸潰瘍は60歳代に多くみられます。男女比は、胃潰瘍では約1:1ですが、十二指腸潰瘍では男性に多くみられます(約1.7:1)。消化性潰瘍による死亡数も減少傾向にあります。
  • 消化性潰瘍の2大リスク因子は、Helicobacter pylori(H. pylori)感染と非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の服用です。近年、H. pylori感染率は低下し、一方でNSAIDsや低用量アスピリン(LDA)の服用が増加しています。
  • H. pylori感染もNSAIDs服用のいずれも認められない、いわゆる特発性潰瘍の頻度は増加傾向にあります。

推奨

  • アスピリン服用中の血栓症イベント発症高リスク群の出血性潰瘍では、アスピリンを休薬しないことを推奨します。
  • アスピリン以外の抗血小板薬を服用中の血栓症イベント発症高リスク群では、原則休薬としますが、アスピリンへの置換を提案します。
  • ワルファリン服用中の出血性潰瘍では、止血のために必要であれば休薬し、ヘパリン置換や内視鏡的止血確認後にできる限り速やかに再開することを推奨します。