門脈圧亢進

概要・推奨

概要

  • 門脈圧亢進症は、門脈系の血流抵抗の増大や血流量の増加により、門脈圧が持続的に200mmH₂O(14.7mmHg)以上に上昇した状態です。
  • 原因は閉塞部位により、肝前性、肝内性(前類洞性、類洞性、後類洞性)、肝後性に分類されます。
  • 主な基礎疾患には肝硬変が最も多く、その他に特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症、バッド・キアリ症候群、類洞閉塞症候群などがあります。
  • 門脈系から大循環系への側副血行路が形成されることが特徴です。その一部が食道・胃静脈瘤や異所性静脈瘤が出現し、消化管出血の危険性が高まります。
  • その他、脾腫やそれに伴う脾機能亢進症(血球減少)、腹水、肝性脳症、門脈圧亢進症性胃腸症、肝肺症候群、門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症(PoPH)、門脈血栓症など、多彩な合併症を呈します。

推奨

  • 門脈圧亢進症の診断には、腹部超音波検査、CT、MRIなどの画像検査が有用です。超音波エラストグラフィによる肝硬度や脾硬度の測定も診断に推奨されます。
  • 出血リスクの高い食道・胃静脈瘤に対しては、出血予防(一次予防)として非選択的β遮断薬などの薬物療法や、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)などの内視鏡的治療が推奨されます。
  • 活動性の食道・胃静脈瘤出血に対しては、全身状態の管理とともに、血管作動性薬(テルリプレシン、オクトレオチドなど)の投与と、緊急内視鏡による止血術(EVL、内視鏡的硬化療法:EIS、シアノアクリレート注入法など)が推奨されます。内視鏡的止血が困難な場合には、バルーンタンポナーデ法が考慮されます。