脳膿瘍

概要・推奨

概要

  • 脳膿瘍は、脳実質内に膿が限局的に蓄積した状態です。
  • 発生機序として、副鼻腔、中耳、乳様突起などの隣接する感染巣からの直接的な進展、または心内膜炎などの遠隔感染巣からの血行性播種が挙げられます。
  • 発生率は人口10万人あたり0.4〜0.9例と報告されており、免疫抑制状態の患者で増加します。
  • 病態は、初期の脳実質炎から、壊死した中心部を線維芽細胞や新血管が取り囲む被膜形成期へと進行します。
  • 原因微生物は細菌、真菌、原虫など多岐にわたりますが、レンサ球菌属、ブドウ球菌属、嫌気性菌が一般的です。
  • 免疫抑制状態(HIV感染、臓器移植、免疫抑制薬の使用など)は、本疾患の主要な危険因子です。その他、脳外科手術、頭部外傷、歯科感染なども危険因子となります。

推奨

  • 脳膿瘍が疑われる全ての患者に、頭部の画像検査を行うことが推奨されます。特に造影MRIは、早期病変や浮腫の範囲評価に有用です。
  • 原因微生物を同定するため、定位脳手術による膿瘍の吸引を行い、検体を採取することが推奨されます。
  • 採取した検体は、グラム染色、好気性・嫌気性培養、抗酸菌培養、真菌培養へ提出することが推奨されます。