自己免疫性胃炎
概要・推奨
概要
- 自己免疫性胃炎(AIG)は、何らかの自己免疫異常に伴い壁細胞が破壊・消失し、この過程でプロトンポンプ(H+/K+ATPase)に対する自己抗体(抗壁細胞抗体)が産生される特殊な胃炎です。
- 近年、内視鏡検診、胃がんリスク層別化検査、胃癌や胃神経内分泌腫瘍(NET)の精査、Helicobacter pylori除菌が難しい症例などから診断されることが増えています。
- AIGを診断する臨床的な意義として、以下の点が挙げられます。
- ビタミンB12欠乏は悪性貧血に加え、亜急性連合性脊髄変性症、末梢神経障害、認知症などの神経疾患のリスクを高めます。
- 胃酸分泌低下は鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。
- 胃癌や胃神経内分泌腫瘍(NET)の発症リスクが高い群です。
- 橋本病など、他の臓器の自己免疫疾患を合併することが多いです。
- AIGを診断する意義は、胃癌や胃NETなどの胃腫瘍や悪性貧血の発症リスクが高い患者を特定し、定期的なサーベイランスを行うことにあります。
推奨
- AIGの確診には、内視鏡所見、組織所見のいずれか、もしくは両者がAIGの要件を満たし、かつ胃自己抗体(抗壁細胞抗体あるいは抗内因子抗体、もしくは両者)が陽性であることが必要です。また、早期AIGの診断には組織所見と胃自己抗体陽性を満たすことが必要です。
- 血中ガストリン値やペプシノゲン値は診断基準には採用されていませんが、AIGを疑った際の測定は有用です。
- 血中ガストリン値は胃壁の伸展でも上昇するため、内視鏡検査直後の測定は避け、内視鏡検査前あるいは別日に測定することが望ましいです。