心房粗動

概要・推奨

概要

  • 心房粗動は、心房拍数が240~440拍/分の規則的な波形を有するマクロリエントリー性頻拍です。
  • 頻拍周期によりI型(心房拍数240~340拍/分)とII型(心房拍数340~440拍/分)に区分されます。
  • I型心房粗動の多くは、下大静脈-三尖弁輪間峡部(CTI)をリエントリー回路に含む峡部依存性心房粗動です。
  • 峡部依存性心房粗動は、興奮の旋回方向により通常型(反時計方向)と非通常型(時計方向)に分類されます。通常型では下壁誘導で鋸歯状波を、非通常型では陽性粗動波を示します。
  • 心房細動を22~82%の頻度で合併し、心房細動に対するI群抗不整脈薬投与後に認められることもあります。
  • 峡部非依存性心房粗動は、僧帽弁輪、左房天蓋部、心房筋瘢痕周囲などをリエントリー回路とし、基礎心疾患や開心術の既往を有する症例に多くみられます。

推奨

  • 血行動態が不安定な場合は、電気的除細動が推奨されます。
  • 血行動態が安定している場合の急性期治療として、心拍数調節療法ではβ遮断薬、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、ジギタリス製剤の静脈内投与が考慮されます。
  • 洞調律への復帰を目的とする場合は、K+チャネル遮断薬(III群)あるいはNa+チャネル遮断薬(I群)が選択されます。I群抗不整脈薬を投与する際には、心室拍数の増加を避けるため、事前に房室伝導を抑制する薬剤の投与が望ましいです。