やせ
概要・推奨
概要
- やせ(羸痩)は、栄養状態の低下により身体の筋量と脂肪量が減少し、細い外見になる症候です。BMIが18.5未満の場合や、標準体重の10%以上が意図的ではなく短期間(半年以内)に減少した場合に病的と判断されます。
- やせの原因は大きく3つに大別されます。
- エネルギー摂取量の減少: 悪性腫瘍、消化器疾患、摂食障害(神経性やせ症など)、うつ病、認知症などが原因となります。
- 消化吸収障害: 炎症性腸疾患や慢性膵炎などにより生じます。
- エネルギー消費量・喪失の増大: 糖尿病、甲状腺機能亢進症、慢性感染症、慢性心不全などにより生じます。
- 摂食障害はやせをきたす代表的な疾患の一つですが、やせの背景には多岐にわたる身体的・精神的疾患が潜んでいるため、包括的な鑑別が必要です。
推奨
- やせを主訴に来院した場合、初診時に身体的評価、行動面の評価、心理的評価を行うことが推奨されます。身体的評価では身長・体重を測定し、成長曲線を作成することが望ましいです。
- 身体的危機状態(著しい低体重、低血圧、徐脈、意識障害など)が認められる場合は、緊急入院が必要です。
- 身体的危機がない場合は、外来での治療が基本となります。治療方針として、疾病教育、栄養教育、身体的治療、心理療法などを組み合わせた包括的なアプローチが推奨されます。