下腹部腫瘤

概要・推奨

概要

  • 下腹部腫瘤は、婦人科領域で遭遇する頻度の高い症候の一つです。
  • 原因として、子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣囊胞などの良性疾患、子宮体がんや卵巣がんなどの悪性腫瘍、妊娠に関連するもの、骨盤臓器脱などが挙げられます。
  • 婦人科疾患以外にも、消化器系疾患(便秘、腫瘍など)、泌尿器系疾患(尿閉による膀胱充満など)なども鑑別に含まれます。
  • 診断においては、年齢、症状、月経周期との関連、妊娠の可能性などの詳細な問診、視診、触診、内診による理学的所見の把握が重要です。
  • 画像検査では、経腹または経腟超音波検査が第一選択となり、腫瘤の由来、大きさ、性状(囊胞性か充実性か)を評価します。鑑別が困難な場合や悪性が疑われる場合には、MRI検査などの精密検査が行われます。
  • 腫瘍マーカーは診断の補助となりますが、良性疾患や炎症でも上昇することがあり、結果の解釈には注意が必要です。

推奨

  • 下腹部腫瘤を主訴とする患者では、妊娠の可能性を常に考慮し、必要に応じて妊娠反応検査を行うことが強く推奨されます。
  • 問診では、症状(疼痛、圧迫感、不正出血など)、増大速度、月経周期との関連、既往歴、家族歴などを詳細に聴取することが推奨されます。
  • 内診および経腹・経腟超音波検査を行い、腫瘤の由来臓器、大きさ、性状(囊胞性、充実性など)、可動性を評価することが推奨されます。