ムンプス

概要・推奨

概要

  • ムンプス難聴は、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)罹患後に合併する急性高度感音難聴です。
  • 原因はパラミクソウイルス科のムンプスウイルスで、主に唾液を介した飛沫感染で伝播します。感染しても症状が現れない不顕性感染も約30~40%存在し、感染源となり得ます。
  • 潜伏期間は平均18日前後で、典型的には耳下腺の腫脹・疼痛、発熱を主症状とします。
  • 難聴は、90%以上が片側性で高度から重度の感音難聴を呈します。両側性に発症する症例も約4%に認められます。
  • めまい症状を45.0~78.9%の頻度で伴うと報告されています。
  • ムンプス罹患者における難聴の発生率は、20,000~30,000人に1人とされる一方で、近年では1,000人に1人とする報告もあります。
  • 日本におけるムンプス難聴の全国推定受療患者数は、1987年の調査で300例、2001年の調査で650例と増加傾向が示されています。2015~2016年の調査では、2年間で少なくとも348例の発症が確認されています。
  • 好発年齢は3~6歳が中心ですが、免疫を獲得していない場合は成人でも発症します。
  • 病態は、ムンプスウイルスが血行性または経脳脊髄液性に内耳へ感染し、蝸牛のコルチ器、血管条、一次ニューロンなどを障害することによると考えられています。

推奨

  • 唾液腺腫脹など臨床的に明らかなムンプス症状に続いて急性高度感音難聴を発症した場合、ムンプス難聴と診断されます。
  • 唾液腺腫脹を伴わない不顕性感染が疑われる急性感音難聴の症例では、診断のためにウイルス抗体価測定を行うことが推奨されます。
  • 急性感音難聴の発症後3カ月以内に血清中のムンプスIgM抗体が検出された場合、不顕性感染によるムンプス難聴と診断されます。