中東呼吸器症候群 (Middle East respiratory syndrome, MERS)
概要・推奨
概要
- 中東呼吸器症候群(MERS)は、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)による呼吸器感染症です。
- 流行地域はサウジアラビアを中心(全ヒト症例の84%以上)とした中東地域です。
- ヒトコブラクダがMERS-CoVを保有するリザーバーであり、ヒトはラクダの鼻水を浴びたり、生ミルクを飲んだりするなどの濃厚接触によって感染することがあります。
- 流行地域は中東に限定されていますが、輸入例は世界各国で報告されており、ヒト-ヒト感染による伝播も起こります。
- 病院内で伝播しやすい特徴があり、過去にサウジアラビアや韓国の病院内でアウトブレイクが報告されています。
- 2018年12月7日までに全世界で2266例が報告され、そのうち804例が死亡しています(致死率35.5%)。
- 潜伏期は2~14日(中央値約5日)です。
- 主な症状には発熱(98%)、咳嗽(87%)、呼吸苦(72%)などがあり、その他に下痢などの消化器症状や筋肉痛などの全身症状がみられることがあります。
- 特に高齢者や、糖尿病、慢性肺疾患などの基礎疾患がある患者では致死率が高くなります。
推奨
- MERSが疑われた場合は、ただちに最寄りの保健所に連絡することが推奨されます。
- MERSは感染症法上の2類感染症に指定されており、特定または第一種・第二種感染症指定医療機関で隔離のうえ、診断・治療を行う必要があります。
- 診断は、地方衛生研究所または国立感染症研究所での気道検体(咽頭拭い液、喀痰)を用いたPCR検査によって行います。