橋本病

概要・推奨

概要

  • 橋本病は、甲状腺を標的とした臓器特異的自己免疫疾患である、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
  • 病理学的には、甲状腺組織にリンパ球浸潤、リンパ濾胞形成、甲状腺上皮細胞の変性、線維化を特徴とします。
  • 原発性甲状腺機能低下症の最も多い原因疾患です。
  • 橋本病と診断されても、甲状腺機能が低下するのは約1割程度であり、多くは甲状腺機能が正常に保たれます。
  • 診断は、びまん性甲状腺腫大の所見と、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)や抗サイログロブリン抗体(TgAb)などの自己抗体陽性を根拠とします。
  • 経過中に、一過性の甲状腺中毒症とそれに続く機能低下症を呈する無痛性甲状腺炎や、発熱や痛みを伴う急性増悪を起こすことがあります。
  • 橋本病を母地として悪性リンパ腫が発生することがあり、甲状腺が急激に増大する際には悪性リンパ腫の合併を疑う必要があります。

推奨

  • 甲状腺機能が正常な場合は、多くの症例で治療は推奨されません。
  • 甲状腺機能低下症を呈する場合、甲状腺ホルモン補充療法が推奨されます。
  • 甲状腺機能低下症の治療を開始する前に、ヨウ素の過剰摂取がないかを確認し、あれば摂取制限によって機能が回復するかを検討することが推奨されます。