多飲

概要・推奨

概要

  • 多飲は、口渇感に伴い過剰に水分を摂取する状態を指します。
  • 多くの場合、多尿を伴います。多尿の定義は、成人では1日の尿量が3,000 ml以上または40 ml/kg以上、小児では2,000 ml/m2以上です。
  • 多飲・多尿をきたす主な原因疾患には、中枢性尿崩症、腎性尿崩症、心因性多飲症があります。
  • 中枢性尿崩症は、抗利尿ホルモンであるバソプレシンの分泌が低下することによって起こります。
  • 腎性尿崩症は、腎臓がバソプレシンに適切に反応できなくなることで起こります。その原因として、先天性の遺伝子異常や、薬剤、腎疾患、電解質異常などがあります。
  • 心因性多飲症は、精神的な要因により水分を過剰に摂取する状態です。
  • これらの疾患を正確に鑑別することが、適切な治療方針を決定する上で重要となります。

推奨

  • 低張性多尿(尿浸透圧 300 mOsm/kg以下)を呈し、多飲がみられる患者さんの鑑別診断において、高張食塩水負荷試験を行うことが提案されます。
  • 中枢性尿崩症の治療には、バソプレシンの誘導体であるデスモプレシン(点鼻スプレーまたは口腔内崩壊錠)の投与が基本となります。
  • 先天性腎性尿崩症が疑われる場合、確定診断のためにバソプレシンV2受容体遺伝子またはアクアポリン2遺伝子の病的バリアントを同定する遺伝学的検査を行うことが推奨されます。