筋強直症候群(筋強直性ジストロフィー、ミオトニア)

概要・推奨

概要

  • 筋強直性ジストロフィーは、筋ジストロフィーの中で最も患者数が多く、骨格筋の障害に加えて、心臓、呼吸器、中枢神経、眼、内分泌系など全身の多臓器がおかされる遺伝性疾患です。
  • 主な症状として、進行性の筋力低下・筋萎縮と、筋強直現象(ミオトニー)が特徴ですが、患者さん自身が症状を自覚していないことも少なくありません。
  • 原因遺伝子により1型(DM1)と2型(DM2)に分類されますが、日本ではほとんどがDM1です。いずれも常染色体優性遺伝形式をとります。
  • DM1では、世代を経るごとに発症年齢が早まり、症状が重くなる「表現促進現象」がみられ、軽症の母親から重篤な先天性筋強直性ジストロフィーの児が生まれることがあります。
  • 発症年齢や重症度は幅広く、日常生活にほとんど支障のない軽症例から、出生直後から重篤な症状を示す先天性の患者さんまで様々です。
  • 多彩な全身合併症を有しますが、自覚症状に乏しいことなどから適切な医療管理につながりにくく、生命予後の改善が課題となっています。

推奨

  • 特徴的な筋症状(筋強直現象、特定の筋の萎縮・筋力低下)、多臓器症状、家族歴から本症を疑い、遺伝学的検査によって確定診断を行うことが推奨されます。検査前には遺伝カウンセリングが必要です。
  • 生命予後に大きく影響する心臓の伝導障害・不整脈や、呼吸・嚥下障害については、自覚症状の有無にかかわらず定期的な検査・評価を行い、適切な時期に介入することが推奨されます。
  • 心臓の評価として、少なくとも年1回の12誘導心電図検査が推奨されます。必要に応じてホルター心電図や心エコー検査も行います。特定の伝導障害に対しては、ペースメーカー治療が推奨されます。