胞状奇胎

概要・推奨

概要

  • 胞状奇胎は絨毛性疾患の一つで、絨毛における栄養膜細胞の異常な増殖と間質の浮腫を特徴とする病変です。
  • 主に、胎児成分が存在しない「全胞状奇胎」と、胎児成分が存在することが多い「部分胞状奇胎」に分類されます。
  • 全胞状奇胎の多くは、父親由来の染色体のみで構成される雄核発生による2倍体です。
  • 部分胞状奇胎の多くは、2つの精子が一つの卵子に受精することによって生じる3倍体です。
  • 診断は、妊娠反応陽性で超音波検査にて子宮内に多囊胞状の所見を認めた場合に疑われ、子宮内容除去術後の病理組織学的検査によって確定されます。
  • 胞状奇胎の治療後には、侵入奇胎や絨毛癌といった続発性疾患(絨毛性腫瘍)を発症するリスクがあります。
  • 全胞状奇胎の娩出後、10~20%に侵入奇胎が、1~2%に絨毛癌が続発します。部分胞状奇胎では、1~4%に侵入奇胎が続発し、絨毛癌の続発は稀です。
  • 続発性疾患を早期に発見するため、治療後はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)値の定期的な測定による経過観察が必要です。

推奨

  • 妊娠反応が陽性で、かつ超音波検査で子宮内に多囊胞状の所見を認めた場合は、胞状奇胎を疑うことが推奨されます。
  • 超音波所見で胞状奇胎を疑った場合は、血中hCGを測定し、子宮内容除去術(胞状奇胎除去術)を実施することが推奨されます。また、得られた子宮内容物は病理組織学的検査に提出することが推奨されます。
  • 子宮内容除去術の前に胞状奇胎を疑っていなかった場合でも、娩出された子宮内容物を肉眼的に観察し、胞状奇胎を疑う所見を認めたときには、病理組織学的検査に提出することが推奨されます。