骨粗鬆症性椎体骨折

概要・推奨

概要

  • 骨粗鬆症性椎体骨折は、骨粗鬆症に起因する最も頻度の高い骨折です。
  • 明らかな外傷機転がなく、またはごく軽微な動作で発症することが多くあります。
  • 症状は体動に伴う疼痛が主ですが、疼痛が軽微な場合や、症状を伴わず医療機関で診断されるのは画像上で認められた椎体骨折の約3分の1と報告されています。
  • 疼痛は、骨折部位から離れた肋骨付近、側腹部、殿部などに生じることもあります。
  • 骨折からの期間と骨癒合の状態に基づき、急性期、亜急性期、慢性期、さらに遷延治癒、癒合不全、偽関節といった病期分類が用いられます。
  • 骨癒合が得られず遷延治癒や偽関節となると疼痛が遷延し、椎体後壁の後方突出により遅発性の神経麻痺(下肢痛、下肢筋力低下、膀胱直腸障害など)を来すことがあります。
  • 椎体の楔状化や後弯変形が残存すると、慢性的な腰背部痛やADL・QOLの低下、続発骨折リスクの増大につながります。新規椎体骨折を受傷した女性の12年後の死亡率は、骨折のない女性と比較して約2.8倍高いと報告されており、生命予後にも影響します。

推奨

  • 高齢者の脊柱付近の体動時痛を診察する際は、常に新鮮椎体骨折の可能性を念頭に置くことが推奨されます。
  • 椎体骨折の画像診断では、骨折椎体の異常可動性を捉えることが重要です。単純X線撮影において、座位と仰臥位など異なる体位での側面像を比較することが有用です。
  • 単純X線像で診断が困難な場合は、MRIの撮影が推奨されます。MRIは新鮮椎体骨折の診断に最も信頼性が高く、骨折の予後予測や病的骨折(悪性腫瘍や化膿性病変など)との鑑別にも有用です。