肺動静脈瘻(肺動静脈奇形)

概要・推奨

概要

  • 肺動静脈瘻(肺動静脈奇形)は、肺動脈と肺静脈が毛細血管を介さずに異常に吻合する疾患です。血管構築が複雑なものもあるため、肺動静脈奇形(PAVM)とも呼ばれます。
  • 90%以上が先天性であり、その多くは遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT、Rendu-Osler-Weber病)に伴います。後天性の原因として、外傷や肝硬変、門脈圧亢進症などが挙げられます。
  • 血管構築は、流入動脈、短絡部の嚢状静脈瘤(venous sac)、および流出静脈から構成されることが一般的です。流入動脈と流出静脈が1本ずつのsimple型が約80〜85%%、複数で複雑なcomplex型が約5〜20%を占めます。
  • 肺動脈から肺静脈への右左シャントにより、ガス交換を経ていない血液が全身に循環し、低酸素血症をきたします。
  • 臨床症状として、低酸素血症に起因する労作時息切れ、チアノーゼ、ばち状指、多血症などがみられます。
  • 右左シャントを介した奇異性塞栓症により、脳梗塞や脳膿瘍などの重篤な神経学的合併症を引き起こすことがあります。
  • 血管壁は脆弱であり、破裂による喀血や血胸をきたすリスクがあります。

推奨

  • 労作時息切れ、チアノーゼ、あるいは奇異性塞栓症(逆行性塞栓)に起因する脳梗塞や脳膿瘍などの症状を呈する肺動静脈奇形は、治療が推奨されます。
  • 無症候性であっても、奇異性塞栓症のリスクを考慮し、流入動脈径が3mm以上の場合は治療が推奨されます。
  • 治療法としては、低侵襲で肺機能の温存が可能な経カテーテル的血管塞栓術が第一選択として推奨されます。