脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症・低髄液圧症候群)
概要・推奨
概要
- 脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)とは、脳脊髄液腔から脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏出することにより、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴り、倦怠感などさまざまな症状を呈する疾患です。
- 主な症状は起立性頭痛で、90%以上の患者にみられます。これらの症状は座位や立位を続けることで短時間以内に悪化することが特徴です。その他、吐き気・嘔吐、頚部痛、めまい、倦怠感なども頻度の高い症状です。
- 原因として、腰椎穿刺や手術手技など明らかなものがあります。それ以外は特発性とされますが、軽症から中等度の頭頚部外傷、激しいスポーツ、重労働などを契機に発症する場合もあります。
- 疾患の中核を成すのは「脳脊髄液の漏出」であると規定されています。一方で、脳脊髄液の総量を客観的に計測する方法は現時点では確立されていません。
- 腰椎穿刺後に脳脊髄液が漏出し、著明な起立性頭痛を生じる病態は古くから知られており、低髄液圧による頭痛は国際頭痛分類にも記載されています。
推奨
- 脳脊髄液漏出症の画像診断では、まず腰椎穿刺を必要としない頭部MRIと脊髄MRIを行うことが推奨されます。脊髄MRIの前に腰椎穿刺を行うと、医原性の漏出と本来の漏出との区別ができなくなる可能性があります。
- 治療の第一選択として、2週間の安静臥床と十分な水分補給(経口摂取・補液を含め1日2L以上が目安)による保存療法が推奨されます。
- 保存療法の効果が不十分な場合には、硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ)を行うことが推奨されます。