胆のう癌
概要・推奨
概要
- 胆嚢癌は胆道に発生する悪性腫瘍の一つです。その発生の危険因子として、膵・胆管合流異常、胆嚢結石、大きさ10mm以上の胆嚢ポリープなどが知られています。
- 診断は、超音波検査(US)、コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)などの画像検査を組み合わせて行われます。特に、内視鏡的超音波検査(EUS)は、病変の性状や壁への深達度を評価するために有用です。
- 治療の基本は外科的切除です。癌が胆嚢壁のどの深さまで達しているか(壁深達度)によって術式が選択されます。早期癌であれば胆嚢摘出術のみで根治が期待できますが、進行癌では肝臓の一部切除や周囲のリンパ節郭清を伴う拡大手術が必要となります。
- 胆嚢摘出術後に偶然発見された胆嚢癌で、深達度が漿膜下層(ss)以上に及んでいる場合は、追加の根治手術が推奨されます。
- 近年、深達度T2までの胆嚢癌に対しては、症例や施設を選んで腹腔鏡下やロボット支援下での低侵襲手術も行われます。
- 手術による根治が難しい切除不能な場合や、術後に再発した場合には、薬物療法(細胞障害性抗癌薬、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、分子標的薬など)が行われます。
- 根治的な手術が行われた後でも、再発を予防する目的で術後補助化学療法が推奨されます。
- 予後には、リンパ節への転移の有無、癌の壁深達度、手術による癌遺残の有無(R0切除の達成)などが影響します。
推奨
- 膵・胆管合流異常と診断された場合、胆道癌の危険因子であるため、診断確定後に胆嚢摘出術などの積極的な予防的な手術を行うことが推奨されます。
- 胆嚢壁を十分に評価できる無症状の胆嚢結石症に対して、胆嚢癌の予防のみを目的とした胆嚢摘出術は推奨されません。
- 胆嚢ポリープが10mm以上、形状が広基性、または経過観察中に増大傾向を認める場合は、癌の可能性を考慮し、切除を検討することが推奨されます。