変形性股関節症
概要・推奨
概要
- 変形性股関節症は、関節軟骨の変性や摩耗によって関節が変形し、骨棘形成などの骨の増殖を特徴とする非炎症性の疾患です。関節リウマチなどの炎症性疾患は除きます。
- 主な症状は股関節部の疼痛ですが、関連痛として大腿部や殿部の痛みを訴えることもあります。初期には長時間の歩行後のだるさや運動開始時の痛み(starting pain)として現れ、進行すると関節の可動域制限や跛行などの歩行障害を呈します。
- 多くは進行性であり、長い時間をかけて病期が悪化していきます。
- 単純X線診断によるわが国の有病率は1.0~15.7%(男性0~18.2%,女性2.0~14.3%)であり、症候のある変形性股関節症の有病率は0.75%(男性0.29%,女性0.99%)です。女性に多い疾患です。
- 原因が明らかな二次性変形性股関節症と、原因が明らかでない一次性変形性股関節症に分類されます。わが国では二次性が多く、そのうち80%以上が寛骨臼形成不全に起因するものです。近年、一次性の一部に大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)が含まれることが明らかになっています。
- 治療は、まず生活指導、理学療法、薬物治療などの保存療法が行われます。病状が進行し、手術によって関節温存が可能な場合には早期の手術が推奨されます。関節温存が困難な場合や高齢の患者さんには人工股関節全置換術(THA)が適応となります。
推奨
- 患者教育は、病識の向上などに有用であり、行うことを提案します。患者教育と運動療法などを併用することによって、症状の緩和が期待できます。
- 運動療法は、短・中期的な身体機能の改善に有用であり提案します。
- 物理療法のうち、マニュアルセラピーは短期的な身体機能の改善に、温熱療法は短期的な機能の改善に、超音波療法は短期的な疼痛の緩和と身体機能の改善に有用であり提案します。