クリプトコッカス肺炎

概要・推奨

概要

  • Cryptococcusは、HIV感染症に合併する真菌性肺炎(および髄膜炎)の最多原因菌です(Pneumocystis jiroveciiを除く)。
  • HIV感染症においては、主にCD4陽性Tリンパ球数が100/mm³未満、特に50/mm³以下
  • で発症します。
  • 悪性腫瘍、腎不全、ステロイドや免疫抑制薬の投与を受けている患者など、細胞性免疫不全状態の患者に日和見感染症として発症します。
  • AIDS患者に発症した場合は、早期に全身性感染症へと進展し、肺病変を呈さずに脳髄膜炎を発症することが多いとされます。
  • 侵入門戸は肺であり、髄膜炎を発症する前に肺病変を経験することがあります。
  • 肺病変を有する患者の多くは、すでに髄膜炎などの肺外病変を合併しているとされます。
  • 基礎疾患のある肺クリプトコックス症では、明らかな髄膜刺激徴候がなくても髄液検査の実施を考慮するなど、脳髄膜炎の合併に注意が必要です。
  • 基礎疾患のない患者では無症状で、健康診断などで偶然発見されることもあります。
  • 基礎疾患のある患者では、基礎疾患のない場合に比べ、発熱、咳嗽、喀痰、血痰、呼吸困難、胸痛などの症状を呈することが多くなります。

推奨

  • 肺クリプトコックス症が診断された場合、脳髄膜炎合併の有無により治療戦略が異なるため、明らかな髄膜刺激徴候がなくても髄液検査を行うことが推奨されます。
  • 基礎疾患のない患者には、ホスフルコナゾール(F-FLCZ)の静脈内投与、またはフルコナゾール(FLCZ)の経口投与による治療が推奨されます。
  • 基礎疾患のある患者(HIV感染症を含む)には、、ホスフルコナゾール(F-FLCZ)の静脈内投与による初期治療が推奨されます。