呼吸困難

概要・推奨

概要

  • 呼吸困難は、「呼吸時の不快な感覚」と定義される自覚症状であり、客観的な病態である呼吸不全(動脈血酸素分圧の低下)とは必ずしも一致しません。
  • 原因は多岐にわたり、呼吸器疾患、心疾患、神経筋疾患、精神的な要因など、さまざまな病態によって引き起こされます。
  • 主な原因として、気道の問題(気管支喘息、COPD急性増悪、気道異物など)、肺実質の問題(肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)など)、肺血管の問題(肺血栓塞栓症など)、心臓の問題(心不全、急性冠症候群、大動脈解離など)、胸郭や胸膜の問題(気胸、胸水など)、神経筋の問題、心因性(過換気症候群など)が挙げられます。
  • 小児においては、ウイルス感染に伴うクループや細気管支炎が呼吸困難の重要な原因となります。
  • 呼吸困難は、息苦しさ、息切れ、呼吸がしにくいといった患者の主観的な感覚です。
  • 呼吸困難は、頻呼吸、呼吸補助筋の使用、チアノーゼ、意識レベルの低下といった客観的な兆候を伴うことがあります。
  • 呼吸器系の疾患としては、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪、肺炎、気胸、胸水、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などが挙げられます。
  • 心血管系の疾患では、心不全のほか、見逃してはならない致死的疾患として急性冠症候群や大動脈解離などが挙げられます。
  • 小児においては、上気道閉塞をきたすクループや、下気道の炎症である細気管支炎が特徴的な原因疾患となります。
  • その他、全身性のアレルギー反応であるアナフィラキシーや、精神的な要因による過換気症候群、代謝性アシドーシス(糖尿病や腎不全など)の代償性過換気なども呼吸困難をきたすことがあります。
  • 生命を脅かす重篤な病態の徴候である可能性があり、迅速な評価と原因に応じた対応が極めて重要です。

推奨

  • 呼吸困難を訴える患者では、生命を脅かす病態を見逃さないため、迅速な初期評価と系統的なアプローチが推奨されます。
  • まず、視診で危険な呼吸(切迫呼吸停止、呼吸回数低下、死戦期呼吸、気道閉塞パターン)の有無を確認することが重要です。
  • 室内気での酸素飽和度(SpO2)が90%未満の状態が改善しない場合や、意識レベルが低下している場合は、緊急対応が必要です。