失神
概要・推奨
概要
- 失神とは、突然発症する一過性の意識消失の結果、姿勢が保持できなくなり、かつ自然に、また短時間で完全に意識の回復がみられることと定義されます。
- 病態は一過性の全般性脳虚血であり、原因は大きく反射性失神、起立性低血圧、心原性失神の3つに分類されます。
- 極端な徐脈や心停止、あるいは極端な頻脈が突然発生した場合には、心臓から脳への血液量の一時的な減少または途絶により失神が生じることがあります(アダムス・ストークス症候群)。
- 心停止が2~5秒程度の場合はめまい、ふらつき、眼前暗黒感などの前失神症状が生じ、6秒以上の場合には体位の維持が不能となり、失神します。
- 日常診療で遭遇する頻度は高く、一過性の意識障害を主訴とする救急搬送患者の79%が失神であったとの報告があります。
- 原因の中でも心原性失神は最も予後が悪く、死亡のハザード比は約2倍、心血管イベントは2倍以上であり、早期の原因検索が重要です。
- 各種の検査を行っても47%は診断がつかなかったとの報告もあり、診断が困難な場合があります。
推奨
- 失神が疑われる場合、初期評価として意識消失時の状況把握、詳細な病歴聴取、身体所見、心電図検査を行うことが推奨されます。
- 典型的な前駆症状を伴い、立位負荷や痛み・恐怖によって発生する場合には、血管迷走神経性失神と診断することが推奨されます。
- 咳嗽、排尿、排便、嚥下などの特異的な状況で発生する場合には、状況失神と診断することが推奨されます。