肺非結核性抗酸菌症
概要・推奨
概要
- 非結核性抗酸菌症は、主に肺病変、播種性感染症、リンパ節炎、皮膚・軟部組織感染症の4つの臨床型に分類され、このうち慢性の肺病変が最も多い病型です。
- 肺病変は、結核類似型(線維空洞型)、小結節・気管支拡張型、過敏症型の3つの病型に分けられます。
- 主な起因菌はMycobacterium avium complex (MAC) とMycobacterium kansasii、Mycobacterium abscessusなどです。なお、MACについてはM. aviumとM. intracellulareで臨床像や予後が異なるため、近年はこれらをMAC症として一括りにせず、菌種同定後はそれぞれ「肺M. avium症」「肺M. intracellulare症」と診断することが推奨されています。
- 非結核性抗酸菌は自然界に広く存在するため、気道検体から1回菌が検出されただけでは診断の根拠とならず、臨床所見、画像所見、細菌学的検査結果を総合的に評価して診断します。
- 診断基準として、胸部CTでの特徴的な陰影に加えて、複数回の喀痰培養陽性などが求められます。
- 血清中の抗糖ペプチドリピド(GPL)-core IgA抗体の測定は、特にMAC症の補助診断として有用です。
推奨
- 診断が確定しても、必ずしも直ちに治療を開始する必要はなく、特に軽症例では注意深い経過観察を前提として個別に治療の要否を検討することが推奨されます。
- 喀痰塗抹陽性または空洞を有する症例に対しては、治療を開始することが推奨されますが、年齢によらず忍容性、基礎疾患、画像所見の推移、菌種などを加味して治療の要否を判断します。。
- 肺MAC症の標準治療として、マクロライド系薬(クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン)、リファンピシン、エタンブトールの3剤併用療法が推奨されます。