周期性嘔吐症(アセトン血性嘔吐症)
概要・推奨
概要
- 周期性嘔吐症候群(Cyclic Vomiting Syndrome: CVS)は、数日間にわたる強い悪心と嘔吐の発作を周期的に繰り返す疾患です。
- 発作時には、嗜眠、蒼白、発熱、流涎、腹痛、下痢、頭痛などの多彩な症状を伴うことがあります。
- 症状の経過は、無症状の「間欠期」、発作が始まる前の「前駆期」、嘔吐が続く「発作期」、症状が改善する「回復期」の4段階に分けられます。
- 診断は、特徴的な臨床経過と、嘔吐の原因となる他の器質的疾患を否定した上で行われます。
- 診断基準として、1時間から10日間続く強い悪心と嘔吐の発作が周期的に起こり、発作中の嘔吐は少なくとも1時間に4回以上の頻度で1時間以上続き、同様の発作が過去に5回以上あり、発作間欠期は無症状であることなどが挙げられます。
- 病態生理は完全には解明されていませんが、自律神経障害、ミトコンドリアの機能異常、内分泌異常などが関与している可能性が考えられています。
- 国際頭痛学会の分類では、片頭痛に関連する疾患とされています。
- 周期性嘔吐症候群は、本邦で従来用いられてきた「アセトン血性嘔吐症」や「自家中毒」とは異なる疾患概念として扱われることがあります。
- 治療の目標は、発作が起こらない期間(間欠期)を延長すること、発作期間を短縮すること、発作中の症状を軽減することの3つです。
推奨
- 発作期の治療では、脱水を防ぐための輸液療法が基本となります。
- 発作期の激しい嘔吐や腹痛、流涎などの症状は、副交感神経(コリン作動性神経)の過剰な興奮が関与していると考えられています。
- このため、発作の前駆期や発作が始まった初期の段階で、副交感神経遮断薬であるアトロピン硫酸塩を投与することが、症状の軽減に有効な場合があります。