進行性筋ジストロフィー
概要・推奨
概要
- 進行性筋ジストロフィーは、「筋線維の壊死・変性を主たる病変とし、臨床的には進行性の筋力低下が生じる遺伝性疾患」と定義されます。
- 病型は多数あり、臨床像は病型によって大きく異なります。代表的な病型には、デュシェンヌ型、ベッカー型、肢帯型、先天性、筋強直性、顔面肩甲上腕型、エメリー・ドレイフス型、眼咽頭型などがあります。
- 先天性筋ジストロフィーは、典型的には乳児期早期からの筋緊張低下(フロッピーインファント)、運動発達遅滞、進行性筋力低下を特徴とします。
- 肢帯型筋ジストロフィーは、多くの場合、腰帯や四肢近位の筋力低下で発症し、徐々に筋力低下と筋萎縮が進行します。
- 筋強直性ジストロフィーは、筋強直現象と進行性の筋萎縮・筋力低下を特徴とし、白内障、不整脈、呼吸障害、糖尿病など多彩な多臓器障害を伴う全身性疾患です。
- 病型ごとの臨床像の特徴が明らかにされ、原因遺伝子やタンパク質に着目した新規治療の開発も進展しているため、どの病型に該当するかを追求する「病型診断」が重要です。
推奨
- 特徴的な臨床症状、多臓器障害、家族歴から本症を疑い、臨床的、病理学的、遺伝学的に病型診断を進めることが推奨されます。
- 筋強直性ジストロフィー1型(DM1)の確定診断は、DMPK遺伝子のCTG繰り返し配列の伸長を確認する遺伝学的検索によって行います。遺伝学的検索の実施前には、遺伝カウンセリングを行うことが必要です。
- 呼吸障害は生命予後に影響するため、自覚症状の有無にかかわらず定期的に呼吸機能を評価し、適切な時期に人工呼吸療法の導入を検討することが推奨されます。